みんなが首相を選べるように、首相公選を実現しよう!

現在の首相
公選制賛同数
3182
  • 日本語
  • English
  • 首相公選制とは?
  • 首相公選制のプロセス
  • バーチャル首相公選!
首相公選制TOP > 首相公選 News > 維新八策 民主の二の舞い危惧 参院廃止・首相公選…道筋見えず

首相公選 News

2012年9月10日

維新八策 民主の二の舞い危惧 参院廃止・首相公選…道筋見えず

橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」は、8月31日にまとめた「維新八策」最終版を次期衆院選のマニフェスト(政権公約)の基とし、9日に開く政策の公開討論会で議論を深める。衆院定数半減、参院廃止など大胆な内容も多く、「大阪から変える」(幹事長の松井一郎大阪府知事)と意気込む。ただ、民主党の平成21年マニフェストの二の舞いになるとの冷ややかな見方も少なくない。
 ■あえて過激提言
 維新八策は8分野で構成され、具体策を並べた「基本方針」は約140項目にのぼる。橋下氏が「国論を二分するような政策をあえて詰め込んでいる」と語るように、過激な提言も目立つ。
 橋下氏は、国政進出の理由に「大阪都」構想の実現を挙げた。今国会で都構想を後押しする法律が成立したものの、「大阪都」の名称が使えないなどと不満を表明している。
 都構想は、道州制実現の布石としており、その一里塚と位置づけられるのが、地方交付税制度の廃止と消費税の地方税化だ。総務省が自治体の財源不足を補う目的で配分する仕組みから、自治体同士での配分決定を目指すとしている。
 このほか、統治機構改革として掲げた首相公選制は、13年に自民党総裁に選ばれた小泉純一郎元首相が主張した。小泉氏の私的諮問機関で、大統領型など3案がまとまったが、その後立ち消えとなっている。
 衆院定数(現行480)を半減にするなど国会議員の大幅削減も目指し、橋下氏は選挙区150、比例代表90という案も披露した。ただ、民主党も21年マニフェストで比例代表定数の80削減を打ち出したが、実現していない。
 ■憲法・外交に不安
 憲法については、手始めとして、改正の発議に必要な「衆参両院で3分の2の賛成」を「2分の1」にする96条の改正を挙げた。自民党総裁選に出馬意向の安倍晋三元首相や民主党の有力者らも参加する超党派議員連盟の所属議員らすでに200人超が賛同している。維新が躍進すれば、実現に大きく近づく。
 一方で、9条改正の是非を国民投票で決めるとしたことは、政党の背骨を問われかねない。
 外交関係では「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加」と明記した。国会議員にとっては「踏み絵」となりそうだ。外交・防衛全般を見渡すと、「日米同盟を基軸」としながらも「日本全体で沖縄負担の軽減を図る」などの曖昧さが目立つ。竹島や尖閣諸島をめぐる問題が待ったなしの中、不安は拭えない。松井氏は「今の民主党のようにならないようにやっていく」と述べ、マニフェスト違反が相次いだ民主党を「他山の石」とする考えを強調。維新への期待は高まっているが、有権者に判断材料を与えるためにも、公約をどう実現していくか、その道筋を明示することが求められる。

[産業経済新聞社 2012年9月5日(水)]より